Finn

サーカス・オブ・ブックスのFinnのレビュー・感想・評価

サーカス・オブ・ブックス(2019年製作の映画)
4.0
LAで何十年も愛されたゲイ・ポルノ専門店を経営していたユダヤ人夫婦。同性愛者ではないこの夫婦がなぜゲイ・ポルノ専門店を開くことになったのか?
夫婦が辿った歴史を、2人の娘である監督が撮影したドキュメンタリー。

派手な演出は一切なく、ホームビデオのような雰囲気で進む作品だけど、真実が詰まっている作品。あらすじは確かに正しいんだけど、そこから想像した以上の波瀾万丈な物語がありました。

ひょんなことから始めたビジネスが多くの同性愛者たちの憩いの場になり、80〜90年代には多くの仲間をAIDSで亡くし、時代の移り変わりと共に存続が難しくなっていく…。
夫婦の人生なんだけど、LGBTQ界の1つの大きな歴史を見せてもらった気がする。

夫婦の目のつけどころというか商才にも驚かされたけど、本作での大きなポイントは、やはり宗教かなと思った。
2人の信じる宗教では同性愛は認められない。ビジネスはビジネスと割り切っている中で、ゲイの仲間たちを優しく受け入れていたけど、いざ身内にカミングアウトされたら?
信仰の壁がありながら、夫婦のその後の取り組みに胸が熱くなった。なんて素敵な方々なんだろう。

有名なドラァグクィーン、アラスカも元従業員だったとは!!いろんな人のインタビューもあって、夫婦がどれだけ愛されてたかが伝わってきてほっこり。
心が暖かくなるドキュメンタリーなので、ぜひ観てほしいです。
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