那由他

神在月のこどもの那由他のネタバレレビュー・内容・結末

神在月のこども(2021年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

この物語は主人公カンナが出雲まで旅を通して成長するという成長ものとしての側面を持っているが、
その成長が旅ではなく母親との思い出によりなされるという描かれ方をしていた。

これでは旅そのものには意味がないと言っているようではないか。
旅に出ると決めたきっかけも母親だし、成長の原動力も母親との記憶であるならば旅など必要なかったのではないか。
なぜ旅を通して成長したという描写をしなかったのだろうか。

もう1点、現代劇で神を扱う以上、現代における神との付き合い方について、何らかの見解が提示されるものだと思っていたが、カンナは物語の最後には神々との接点を無くして終わる。
来年も韋駄天の役目を引き受けるのかどうかすら定かではない。

私には現代社会に神は必要ないというメッセージにしか感じられなかった。
神や韋駄天を扱った映画でありながら、このような内容で本当に良かったのか?

正直に言って、この映画を通して何を表現したかったのかもよく分からなかった。
那由他

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