ジオラマボーイ・パノラマガールのジジョのレビュー・感想・評価

原作が発表された頃のバブル景気から崩壊していく時代と、現代のオリンピックに向かう盛り上がりの中のコロナ禍がリンクしているような気がした。登場人物たちのシラけた空気感は今も昔も変わらない社会を冷静に受け止める若者の姿。
岡崎作品で描かれる「東京」は、どこか異世界のようだけど、本作で描かれる開発途中の「東京」も形態を変えて生まれ変わる怪物のようで、「東京」という街の怪しげな美しさを改めて感じた。
原作の「掴み所のなさ」は、まさに私たちが生きる世界そのものなのかも。改めて原作を読んでみたい。