YuikiKoiwa

TITANE/チタンのYuikiKoiwaのレビュー・感想・評価

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
4.2
"自分を愛して近づく者を殺してしまう狂気"

この良心をもってしては一切理解できない感情。

幼い頃の手術によって埋め込まれた矛盾を抱えながらも、アレクシアは幾度も人を愛そうと努めた。

しかし、こんな自分を受け入れてくれる友人などいない。

そのきっかけを作った家族にさえ打ち明ける事はできない。

社会は常識を失ったサイコパスから自由を奪おうとする。

欠けを補うことを愛とするのに異論は無かろうが、棘を抜くのは果たして愛と呼べるのだろうか。

無条件の愛ならば、刺し通す棘さえもその身に受けて一体となるのではないか。

「そんな無理など受け入れることができようか」

できないならば、その人はもう愛され飽きてしまったのだ。
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