"自分を愛して近づく者を殺してしまう狂気"
この良心をもってしては一切理解できない感情。
幼い頃の手術によって埋め込まれた矛盾を抱えながらも、アレクシアは幾度も人を愛そうと努めた。
しかし、こんな自分を受け入れてくれる友人などいない。
そのきっかけを作った家族にさえ打ち明ける事はできない。
社会は常識を失ったサイコパスから自由を奪おうとする。
欠けを補うことを愛とするのに異論は無かろうが、棘を抜くのは果たして愛と呼べるのだろうか。
無条件の愛ならば、刺し通す棘さえもその身に受けて一体となるのではないか。
「そんな無理など受け入れることができようか」
できないならば、その人はもう愛され飽きてしまったのだ。