きうい

ジョン・ウィック:コンセクエンスのきういのレビュー・感想・評価

4.2
そこのお前!ジョン・ウィック4一本に含まれるアクションの総量はジョン・ウィック1〜3本分だぜ!
これ一本で完全に1日に摂取していいアクションの過剰摂取になる。たっぷりどころかうんざりするほどアクションシーンが長い。アクションシーンがうんざりするほど長いので、観客も「まだ戦うの!?」となるし、なによりジョンがめちゃくちゃ疲れてる。あきらかにヘロヘロになりながら、それでもヘッドショットだけは忘れないジョン・ウィック最高だぜ。
きっとあと30分くらいは本編を短くできたけど、しつこいほど長いアクションシーンこそがジョン・ウィック。これでいいんだよこれで。
ジョン・ウィックシリーズではスーツの防弾性能が異常に高いので、もはや武器のパワーバランスが一周して銃で撃つよりシンプルな打撃や刺突のほうが入るダメージが大きくなってるのがクソ面白い。チャチな拳銃よりもヌンチャクや日本刀のほうが強い。ありそうでなかった火力のインフレ。

大阪コンチネンタル編があまりにも良すぎる。シマヅが「できるだけ多く殺してってくれ」ってジョンに頼むのが個人的ベスト台詞だった。そこは「無事を祈る」とかじゃないんだ…と思ってにっこり。明らかに厄災と化しているジョン・ウィックなので、長い付き合いの友人としてもてなすけれども「余計な争いを持ち込みやがって」という気持ちがなきにしもあらず、というのが現れていて良い。あとシンプルにこれを真田広之がちょっとおちゃらけて言う良さよ。梅田駅のことはもうちょっとちゃんと教えてあげなね、私の知ってる梅田駅じゃなかったけど。

しみじみと何もかもが良い。
ハリウッドはギラギラネオンと日本刀とセットで真田広之出しときゃいいと思ってんだろ、そうだよ。娘思いで盲目のドニー・イェンの最高さは言うまでもなく、安心して中指を立てられるボンボンのビル・スカルスガルドも良かった。ちょっと足が長すぎた。
ジョン・ウィックシリーズに求めるのは過剰な暴力と、コンチネンタル始めとする殺し屋社会の世界観と、魅力的でクセの強い殺し屋たちなので、100点満点中5億点の映画だった。
ストーリーラインは限りなくシンプルに、そこに暴力てんこ盛りにした作品だった。

「ジョン・ウィック コンセクエンス」は邦題だが、まさしく“報い”の物語だったので満足。ハッピーエンドではないが、物語は大団円であった。
それはそれとして、ジョンとシマヅとケインの仲良し共同戦線編ってないですか?仲良くラーメン食べてるだけでもいいです。
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