Akasatana

ジョン・ウィック:コンセクエンスのAkasatanaのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

少しブレッドトレインのネタバレもあります。

ストーリーはあってないようなものなので、アクションを楽しむ映画でありアトラクションを体験しているようだった。
最初のジョンウィックが、パンチを打ち付ける場面から音が凄く、映画館で観る価値のある映画だと感じた。
自身の自由のために戦っているジョンウィックよりも、娘の命を助けるために、かつての友人たちと敵対しなければならないことに葛藤するケインの方に感情移入してしまった。
実際に一般人がいるところでも見境なくドンパチを起こし人を殺しまくるので、アキラや敵が言っていた、ジョンは疫病神だという主張は普通に正論だと感じた。終盤には、妻とのくだりからジョンの気持ちも伝わり、感情移入の余地があったものの、中盤まではケインが主役を喰っているように感じた。
パンチの連打シーンでは、イップマンの詠春拳の連想させてテンションが上がった。還暦を迎えてもなお、あのスピードでアクションが出来るのは化け物だと思った。
ハリウッド映画に出てくる真田さんは、なんだか途中で死んでしまうイメージがある。その一方で、最近観たブレッドトレインでは最後まで生き残っていた。そのため、今作ではどうなるかと思ったが、残念ながら死んでしまった。しかし、最後まで友との絆を貫きながらも必死で娘を守ろうとする真田さんの役はとても魅力的であった。娘を守るためにかつての友との絆を蔑ろにしてしまったケインとの対比が良く、その後のケインの葛藤にも深みを与えていた。
刀や弓を使うヤクザが出てきたり、浴衣を着た力士が護衛をしていたりなどのなんちゃってジャパニーズや、近未来的なネオンの輝く大阪は面白かったものの、ハリウッド映画ではよく観る光景であった。真田さんの扱いや、座頭市を参考にしてそうキャラなどから監督が日本が大好きなのが伝わった。そのため、今後アクション映画を撮る機会があるなら、なんちゃってジャパンではなく、日本のショッピングモールやノスタルジックな田舎町などを舞台にしたリアルな日本でのアクションシーンも見てみたい。
多種多様な殺人方法や俯瞰視点のゲームのようなカメラワークなどを用いて、アクションシーンを飽きさせないような工夫がされていた。
しかし、大阪の戦闘シーンからクライマックス並みの力の入れようだったので、そこでもうお腹いっぱいになってしまった感じはあった。
そのため、終盤にはややアクションシーンに疲れてしまい、少し飽きてしまった。
とはいうものの、敵対していたケインとミスターノーバディーとの満を持しての共闘は少年漫画のようで興奮した。
完結編ということで綺麗な終わり方をしていた。キアヌ自身は、もう若くないこともあり、シリーズへの出演を最後にしたいようだが、ジョンの生存を有耶無耶にしていたので、いつでも再登場をする準備は整っていた。(ワイスピなら絶対生きてる)
報復がテーマということで、様々な登場人物が自身の報復を実行していた。エンドロール後のシーンでは、放置されていたアキラの報復が行われ、ケインの生死も不明となっていた。これからもシリーズは続くようだし、ケインのキャラは魅力的だったので、生きていて欲しいなと思う。
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