りっと

スペース・スウィーパーズのりっとのネタバレレビュー・内容・結末

スペース・スウィーパーズ(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

地球に住むことができなくなった人類は宇宙を目指した。良質な環境は金持ちしか享受できない。宇宙ゴミ掃除人として最下層で生きる、テホを始めとする勝利号の乗組員たちは、行方不明だと広報されていた子供型ヒューマノイド「ドロシー」を見つける。彼女を使い金を稼ごうと危険な取引に足を踏み入れる中で、壮大な陰謀に巻き込まれていく。

まずはこんなものを作ってしまうのか韓国映画界…!と驚きました。初宇宙SF映画とは思えないほどで、映像作成技術も高いように感じたし、お話の構成もかなり上手くまとまっていたように思います。
確かに尺は少し長めでしたが、ハリウッドで言われるような所謂3幕構成になっていたし、クスッと笑えるコメディー要素もあったので、飽きることもなく最後まで見ることができました。

壮大な世界観でありながら、その中でヒューマンドラマ的要素をしっかり描くのが韓国らしさかな、と感じます。
それぞれがひとりぼっちのはみ出しものだった乗組員たち。彼らがドロシーと共に絆を育み、家族となっていく姿。同時に痛みを伴う過去の家族の思い出に向き合う姿。それらに胸を打たれました。
最近の韓国作品に多いけれど、やっぱり、多様な家族の姿を描いているところが素敵だな。

映画館ではなく全世界公開という形になったけれど、作品自体が宇宙を舞台にしたワールドワイドな世界観で様々な国の多様な背景を持つ人々が登場するものだったので、結果的にとても合っていたのではないかと思います。
韓国の映画なのだけれど、国境を越えた世界の中でバックグラウンドに韓国を持つ人たちが主人公の映画、という感じで、しっかり世界に踏み出しているなぁと感じさせられました。

クオリティーの高い、笑いあり涙ありの宇宙SFムービーでした!
りっと

りっと