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健康でさえあればのあのネタバレレビュー・内容・結末

健康でさえあれば(1966年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます


1.「不眠症」

電気スタンドの青みによって、顔が赤くなった奥さんに驚いたり、本の目が動いたり、本が逆さまになっていたり。

物語の世界と現実世界とをユーモアで結び付けていく、緊張と緩和のギミックが目白押しの作品である。

寝る前のリラクゼーションとしての読書なのであれば、見事なまでの本末転倒である。そして、不眠の原因が恐らく読んでいる本のように吸血されているからという皮肉っぷりが良かった。

2.「シネマトグラフ」

ドラえもん顔負けの万能オイルを軸に、映画CMの世界と絡み合っていく。
落ち着きのない人々が織り成す無茶苦茶で分かり易い、教科書のような典型的コメディ。オチはやっぱり爆破。


3.「健康でさえあれば」

近代社会特有のストレスや苛立ちを題材としており、肉体的にも精神的にも健康である必要性をコメディの観点から表現した作品である。やはり主題になっているだけあって発想、ユーモアが突出している。

凡ゆるストレッサーによって被害を被りまくる人々の踏んだり蹴ったり具合が最早清々しく、泣きっ面に蜂がまだ可愛く思えるような展開である。

医者が病に侵されるという仕舞いも皮肉が効いていて面白い。


4.「もう森へなんか行かない」

ハンターが介入(余計なことを)するせいで農夫と婦人たちが揉め出すというすれ違いコントのような展開に終始馬鹿だなぁ、が漏れる。無論これは褒め言葉である。

余計に面倒な方へと物事を肥大させていくというのが、こういったコメディの味噌なのかも知れない。
あ