あさんの映画レビュー・感想・評価

あ

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必殺! 恐竜神父(2018年製作の映画)

1.5

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復讐心に恐竜の暴走と貞操崩壊が都合良く上乗せされたことで、闇堕ちまではそう長くはなかった。

使命だとかこつけたのち、必殺技と称しシンプルに首をもぎ取る恐竜神父。タイトルの組み合わせについ惹かれ、見
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怪物(2023年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます


「謝れば済む」

無機のような人間たちによって、愛があしらわれる。中核を保持するために、都合良く末端として切り捨てられる。集団において多様性を理解されず馬鹿にされる。

まるで、この世という不条理の
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劇場(2020年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます


一つ屋根の下、まるで対義のような真逆の性質を持つ男女が共生する、都会暮らしの日々。
やはり特筆すべきは永田という男の、その心理だろう。
他人の原付で永田が公園を周回する場面において、感情の整理をしつ
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梅切らぬバカ(2021年製作の映画)

3.6


自閉症を知っていることと、触れ合って体験することの異なる現実的な難しさを描いた作品。

地域に自閉症の方がいるのだから、みんなが優しい心を持って仲良く暮らしていこうね。
大した問答のない、こんな道徳
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ルックバック(2024年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます


「出てこないで!!」
選んだ答えによっては、もしもの世界線のように、京本は死なずに済んだのかも知れない。ふたりはそれぞれに好きなものに触れて、平和に成長していたのかも知れない。

夢を持ったせいで、
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13日の金曜日(1980年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます


初見ということもあり、てっきりあのジェイソンが殺っているのかと思いきや、今作ではまだ仮面のジェイソンは登場せず、殺人鬼はその母親。

息子を過去に失った怨恨から、
無関係な若者たちを理不尽かつ、残酷
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ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)

3.3


言わずと知れたマシュマロマンや、ゴーストバスターズのテーマ曲、そしてお笑いの古臭さが癖になる。
80年代のアメリカンコメディを楽しむにはもってこいの作品。

ベイブ(1995年製作の映画)

3.4


ベイブが優秀だったから、ご主人に生かされていただけの話であって、運悪く事が運んでいたらと思うと、なんとも現金な関係である。
ハッピーエンド!ベイブかわいい!そんな楽天的には収められないリアルが尾を引
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時の支配者(1982年製作の映画)

3.8

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ただのSFアニメではない。

当時の時代背景は分かり兼ねるが、これは現代人に対しても、問題提起された風刺的な作品である。

ある星において、個性を捨てた思想の統一こそが、幸福と考える「名前も顔もない
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グーニーズ(1985年製作の映画)

3.3

子供向けのベタな冒険モノ。
だからこそ、たまに観たくなる。

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

3.4


溢れ出す一連の恣意的言動は、これまでの抑圧の程が窺える。そんな人間が自由を求めたならば、必然的にその自由は不自由を冠することになる。

奇しくも、我が子に読み聞かせた詩のピエロになった、不器用な生き
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.9


「一期一会」「諸行無常」の四字熟語たちをそのまま映像にして、クスッと笑えて、ほっこりと心の芯から柔らかくなるように味付けしたような作品。

だからこその唐突な展開であり、突っ込まず、掘り下げず受容す
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土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)

3.6


自然の中で暮らし始めると、必然的に自己対話の時間が生まれ、自身の死生観がより輪郭を成して明確になる。

根源としての生。生の自然な形。

テレビやスマホ、人間交流や仕事に忙殺される情報過多な日常によ
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ニューヨーク東8番街の奇跡(1987年製作の映画)

3.4

宇宙ロボットの恩返しに心が温まる。

未知の存在を通して、崩れ掛けたそれぞれの心が一つになっていく。ただただ、身を委ねて感じていられる、スピルバーグ作品ならではのほっこり満載の作品。

チャイルド・プレイ(1988年製作の映画)

3.1


ベタなのに、色褪せずしっかりと怖い。
さすが名作。

うさぎドロップ(2011年製作の映画)

3.6


産みの親より育ての親。愛の本質は血では無いという事を改めて感じさせてくれる作品。

もしりんちゃんを預かるという選択を選ばなかったら、この景色を見る事が出来なかったんだよなと、少し恐ろしくなるくらい
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茶の味(2003年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます


穏やかなようで穏やかでは無い。平穏とバイオレンスの均整が取れた絶妙な作品であり、イマジネーションが可視化された唯一無二のヒューマンドラマである。

今作に於いて、特筆すべきはやはり幸子とはじめの事だ
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(1990年製作の映画)

3.8


それぞれが個性的でありながら、結果的に均整が取れ纏まっている、夢を題材としたオムニバス作品。
多少の脚色や誇張はあるだろが、あんな夢ばかりを見てそして記憶しているということが何より羨ましい。

激動
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リトル・フォレスト 冬・春(2015年製作の映画)

3.5


冬だからと言って自然と生きることに休息は無く、噛み締めるように生き物と対峙しているんだなと感じさせられる。
だからこそ、自然と真剣に向き合っている地元で生きる人間と、惰性的に逃避として自然と過ごして
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健康でさえあれば(1966年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます


1.「不眠症」

電気スタンドの青みによって、顔が赤くなった奥さんに驚いたり、本の目が動いたり、本が逆さまになっていたり。

物語の世界と現実世界とをユーモアで結び付けていく、緊張と緩和のギミックが
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます


森を抜けると、幼い母が過ごす世界に繋がっている。ファンタジーながらも、2つの境はやんわりと曖昧だからごく自然的で、今作特有の、時の流れがゆったりとした柔らかな空気がより引き立っている。

双子のよう
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冬の旅(1985年製作の映画)

4.0

孤独や自由は彼女にとって気楽であって人生である。
しかしながらそれは短絡的かつ、エゴイスティックな一時的な生き方に過ぎない。
その結果、モナの死は不条理や非業というよりも、逃避した若い人間の無鉄砲さが
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画家と庭師とカンパーニュ(2007年製作の映画)

3.7


久々に再会した旧友との思い出が人生の最後になるというのも、なかなか運命的であって、それもまた人の人生の面白さなのだと思う。

湿っぽいのは性に合わないと言わんばかりの、ジャルダンらしい終わりであり、
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天気の子(2019年製作の映画)

3.3

どうしても「君の名は。」と比較されてしまうからスコアが伸び悩むのかも知れないけれど、これはこれで面白い。

でも、やっぱり思い切り感動出来ないのは何故だろう。

リトル・フォレスト 夏・秋(2014年製作の映画)

3.6


主に食にフォーカスされた、これぞ正に丁寧な暮らしであり、自然との触れ合いによって自己と向き合っていく若者たち。

「言葉は当てにならないけれど、私の体が感じたことなら信じられる」

「自分自身の体で
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白い花びら(1998年製作の映画)

3.4


美しき白い花の揺らぎによって喜憂する人間たちの、烈しくも静かな愛憎劇。

何でもないような事が幸せだった思える。という、何とも虎舞竜のチラつく結末だった。

散った白い花“ びら ”となったマルヤは
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ピストルと少年(1990年製作の映画)

3.8


ピストルを突き付け興奮しているかと思えば、子供らしく甘えた一面を見せる少年。
どっちつかずの不安定な精神に揺れる、反抗期真っ盛りの彼に巻き込まれて、情を持ってそれぞれ揺さぶられる、姉とデカ。

少年
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殺したいほどアイ・ラブ・ユー(1990年製作の映画)

3.6



多少の脚色はあれど、これが実話に基づいているというのだから驚きである。

常軌を逸した外国っぽい大胆な発想と、ジョーイの強運によって、結果的に破茶滅茶コメディとして昇華することに成功し、なんとかハ
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心が叫びたがってるんだ。(2015年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます


伝えたい事があるのに言えない。
心の戸を叩いている事に見て見ぬふりを続けてしまい、いつしか忘れてしまった本当の声。

成瀬のように過去のトラウマを抱えていなくとも、複雑な人間関係の中で、大なり小なり
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.4


「ゲゲゲの鬼太郎」の前日譚であって、当時の日本特有の風潮を絡めながら目玉の親父の過去が知れる珍しい作品。

ヴィレッジホラー要素、グロテスクな描写、人間の醜悪さが生々しく描かれているため、子供大泣き
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カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

特筆すべきはやっぱり、マクマーフィとチーフの関係性であると思う。
二人のやりとりは他とは違う何か特別なもののようで、他のシーンよりやや異質な空気を放っている。
多くを制限された環境において、心を通わせ
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パターソン(2016年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます


朝から陰鬱になりそうな家族への愚痴を溢す同僚や、愛を失い生きる意味がないと悲嘆するフラれた男。
そして、偶然出会った「水が落ちる」という詩を書く詩人の少女と、W・C・ウィリアムズ好きの日本人の男。
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グラン・トリノ(2008年製作の映画)

3.9


固定観念が強く差別発言も厭わない、頑固で嫌味なウォルトだったが、皮肉にも、実の息子たちよりも、自分のことを理解して、受け入れてくれる毛嫌いしていた移民の隣人たちによって、少しずつ、孤独な心が開かれて
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グスコーブドリの伝記(2012年製作の映画)

2.4


恐らく、序盤に妹はあのまま餓死していて、コトリは連れ去ったのではなく、冥土へ送るための死神としての役割を果たしていた。
てぐす工場は、いわば魂の循環工場であって、輪廻転生の思想により、繭が成長するこ
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