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哀愁しんでれらのYSKのレビュー・感想・評価

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
3.4
お詫び
土屋太鳳さん主演の今作ですが、視聴中ならびに視聴後にFilmarksあるいは映画感想ブログを読むまでずっと広瀬アリスさんが主演だと勘違いしていたことをお詫び申し上げます

何の特徴も取り柄もなかった一般女性が、ある時突然見違えるほどの幸福を手にして芸能界や社交界でデビューあるいは資産家と結婚する成功物語を「シンデレラ・ストーリー」といいますが、シンデレラを見初めた王子様は本当にいい人なのか、シンデレラは本当に幸せになったのかというお話

かつて星新一の短編に『シンデレラ王妃の幸福な人生』という、シンデレラが継母たちや浮気性の夫たちから自らの地位を守るために右往左往するお話がありましたが、あれも毒があってよかったですね、好きな作品の一つです
ただ冷静に考えると、シンデレラが不幸になるはずがないのです、なぜなら「ヒロイン」であり「プリンセス」だから
『魔法にかけられて』の感想でも触れましたが、「プリンセス」というのは職業ではなく生き方なのです、せんし・ぶとうか・そうりょ・まほうつかい・とうぞく・しょうにん・あそびにんは職業ですが、ゆうしゃだけは職業ではないし他の誰であっても代わることはできません、プリンセスも同様に不幸になってはいけないし、王子やその娘にマイナス面があってはいけないのです
田中圭の一般的にモラハラと呼ばれるような言動であろうと、その娘COCOの幼稚で無鉄砲で考え足らずで我儘で浅はかな言動であろうとも、非難される謂れはなく逆に物言いをつけてくるような不敬者は罰せられるべきであり、本当の幸せを手に入れた土屋太鳳は最後の最後に真のプリンセスの座を手にしたのですからこれはハッピーエンドでしょう

弁当のくだりや筆箱のくだり、そして最後のあまりに無茶で苦茶で無理で矢理な展開はともかく、凄まじい熱量で押し切られた気は否めませんが
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