てつこてつ

アオラレのてつこてつのレビュー・感想・評価

アオラレ(2020年製作の映画)
3.2
悪質な煽り運転は、ここ2~3年で一気に日本でも問題視されるようになったけれど、自己主張が強く、基本、車社会のアメリカで同じような問題は、遙かに悪質な形で日常茶飯事に起こってるんだろうし、この邦題のセンスには賛否両論あるだろうが、日本人には食いつきやすくて、なかなか宜し。

とにかく単純明快なストーリー展開で、90分の上映時間でスリリングに、時には派手なカーアクションも挟みながら一気に見せるんで飽きがない。デップリと太った「いかにも感」有り有りの、執拗にヒロインを追走するラッセル・クロウも、不遇な自分を追い込む格差社会への憤りがその鋭い眼光にメラメラと出ていて、ただのサイコ野郎として描かれていないのもいい。まあ、やってる事は狂気の沙汰としてしか思えないがw。

ただ、そもそも論として個人情報バッチリ詰まったスマホにロックを掛けていないというヒロインのキャラ設定や、それがいとも簡単にラッセル・クロウの手に渡ってしまうという流れがやや強引。

同じようなroad rageをテーマにした作品なら、ベン・アフレックとサミュエル・L・ジャクソン共演の「チェンジング・レーン」のほうが、内容的にしっかり作ってあって個人的には好み。
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