【最高なアバンタイトル】
舎弟二人と原付きを乗リ回す金髪の綾野剛
クスリの売人をボコる
ヤクザから全力疾走で逃げるが捕まり
ボコられる
真っ白なノースフェイスのダウンジャケットが血しぶきで赤く染まり、美しく映える
正式にヤクザの世界に入るため酒坏を交わす。
タイトルがバンッ。久々にヤクザ観るなぁっていう楽しさ。
【中盤以降、隅に追いやられる弱者としてのヤクザ】
中盤からはやりきれない展開。
滅びゆく弱者としてのヤクザ。
敵は抗争相手の組だけじゃなくなってきている。
暴対法、それ関連した自治体の条例。再開発により縮小する縄張り。世間の風潮。大きく言えば時代。
ヤクザのシノギもどんどん縮小してくる。
隅に追いやられ、滅びゆく弱者としてのヤクザを描いている。
勿論、世間全体としては反社会的勢力が排除されるのは歓迎すべき事。
台頭する半グレ集団。取り仕切るのはなんと翼だった。
終盤でのトーンが少しウェットすぎる嫌いが有った（好みの問題でもあるが）。もっとドライに描く事で視点の公平さが保たれ作品の質が上がったように思えた。
ヤクザと家族というタイトルどおり、
時代に翻弄される幾つもの家族・疑似家族を見出す事ができる。
ケン坊と、ヤクザとして死んだ父親
ケン坊と二人の舎弟
ケン坊と柴咲の親分や組員
ケン坊と焼き肉屋の愛子（寺島しのぶ）と息子の翼（磯村勇斗）
ケン坊と由香（尾野真千子）と、その娘である彩
ラストのシークエンスが良い。
ケン坊が死んだ場所で彩と翼「ちょっと座って話そうか」。
