令和のヤクザ映画と言うべきか。
日本ヤクザが時代の波にのまれる様を主人公を通してある種のドキュメントの様に描きながらも、ヤクザ映画ならではの命のやり取りも忘れずに、エンタメとしても飽きずに観られる仕上がり。
20年という月日を2時間で描くためにやや雑なところはあるものの、綾野剛演じる一人の男の半生をキャスト・スタッフ共に相当な熱量で作った作品だと伝わる。
現実には確かに昔に比べヤクザは減り、半グレと言われる、暴対法の目を潜る集団にとって変わられてる話は聞く。でも実際、暴力団はいまだ存在し、時には抗争騒ぎも起こしてる。
暴力団の理不尽な暴力も、半グレのそれも、ネットで誹謗中傷を繰り返す連中も、情報に踊らされ、他人を攻撃するやからも、皆同じ人間のやる事だと、この映画は突きつける。