やはり藤井道人映画はオシャレ。
綾野剛チンピラ期 → 手持ちカメラでぐらぐら感
綾野剛ヤクザ全盛期 → シネスコサイズ
綾野剛ヤクザ衰退期 → スタンダードサイズ
とA24配給の映画から見え始めた、一作品の中でスクリーンサイズを変えて、心情を表現する手法は成功していたし、意味のある素晴らしい演出だった。この手法はこれから流行り出すことだろう。
綾野剛は『出所してから彼女に会いにいく』行為や『元の交流にまた混じる』ことがどれほど甘い考えかがわからなかったのが敗因。その考えが大変軽率で甘かった。辛いところだが、やはり手を切らなければダメなのだなぁ。
人と人との交流が希薄になりつつある今の時代、せちがらくなった世の中に対して綾野剛がアイコンになり、社会に問いかける。尽、恩、信頼とは。悪から抜け出そうと努力する者たちへの手助けやセカンドチャンスを作らない、与えない偏見定着社会への問いかけ。
双方それぞれの立場から、私たちに問いかけ考えさせられる映画だった。
始まりの綾野剛水没シーンの伏線もラストでしっかり回収され、そういうところが藤井さんのオシャレさゆえんだなぁ、と。
残念なのは、オープニングに一回、終わりに英字でまた一回、最後のエンドロールにと、合計3回監督名のテロップが出たこと。そこまでくどくど出す必要があるのか？
作品自体が素晴らしかったので、凄く煩わしく、TOO MUCHだと思った。エンドロールに一回どっしりと出すくらいで良いと思う。演者の名前もしかり。
エンドロールだけではダメでしたか？
ちなみに、綾野剛を刺す同僚（？）の名前がワタクシの苗字と同じなので、罪悪感もありつつ、『綾野剛に名前を呼んでもらい、謝ってもくれた』というおかしな感動がありました。
エンディングソングのMV
MILLENNIUM PARADE -FAMILIA-
を見てこの映画が『完』になるので（！！）、是非そちらも鑑賞後見ると尚良し！
P.S.
磯村勇斗が『きのう何食べた？』でジルベールやっていたのが懐かしい。（遠い目）
