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ヤクザと家族 The FamilyのDoublesのネタバレレビュー・内容・結末

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

家族って当然のように自分の居場所としてあるようで、簡単じゃない。
自分の居場所・戻る巣が無くて、それを作ること、持つことの難しさに色んな形で直面する。

ヤクザが自分の居場所を作ってくれた場所で、大切な場所。
出所してもその思いは変わらず自分は何一つ変わっていないのに
時間と共に人や環境が変わっていた。その事で生きづらくなっている上に
自分の周りにいた人たちもそれに迎合して変わってしまっている。
しまいには、周囲が変わったせいなのに
お前のせいだと責められる。
警官や加藤が本当にハイエナ過ぎるけど、世の中本当にそんな人も多い。

生き残るためには、適応という名の迎合が必要なのかもしれない。

でも、自分にはそれが出来なくて
大事なものは変わらなくて
居場所があること、大切な人がいることの大事さは変わらなくて
翼を助けた んだと思う。
かつての自分と同じで、翼は仇討ちにいくと確信していたからこそ。

自分の命をかけてでも、
自分の思いを貫いて、結局自分は死を迎えてもある意味穏やかで
そして体を張って貫いた思いだからこそ
人を大切にすること、家族、居場所の大切さが翼やゆかの娘に繋げていくんだと思う。

また組長が老いたけれども
取れるもんなら俺の首取ってみろ
の台詞をぶつけて、取られることなく老いていくけれど
一方で加藤はあっさり山本に取られる。
金ではなく、義理人情を大切にする本物の人がやっぱり最後は救われる
そんな事を思ったりもした。
でも、やっぱり2代目(実際には2代目じゃないと思うけど映画の中では2代目というか2番手として) の成長って難しくて
舘ひろし程のオーラも出せず
衰退に加速させ、かつシャブも自ら手を出してしまう程落ちぶれてしまうのは
やっぱり本物のリーダーとは難しく
真のチーム、家族を作ることの難しさを感じる。

ヤクザの衰退の事象から
こんな人間模様を表現するなんて凄い。
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