Takhio

ヤクザと家族 The FamilyのTakhioのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
3.9
※ネタバレにはしていませんが、一部、シーンについての感想を含みますので、それも嫌な方はご注意ください!

この映画に出てくる一人一人にスポットライトを当てたヒューマンドラマとして観るとつまらないと感じてしまう。うまく人物を描けているのは北村有起哉くらいである。
ただ、1999年から2019年にかけてのヤクザを取り巻く環境の変化を描いた映画として大きな視点で捉えるなら、その変化をよく描けている映画だと思う。

ヒューマンドラマとして観るにはツッコミどころが多すぎる。
親子の盃を交わす儀式が興奮のマックスで、あとは綾野剛が全て悪いやんけ案件が多すぎる。特に尾野真千子関連。マジで感情移入できない。こういう風にしか生きていけない男の生き様というのならそうなのかもしれないけど、、、『すばらしき世界』の役所広司の「まっすぐさ」とはちゃうで。
あと、バイクに乗った男に襲撃されるシーン、組長クラスが乗っているのに何故防弾ガラスじゃないんだ!
尾野真千子が綾野剛に惹かれるのもマジで不明。親がいないという点においてシンパシーを感じたのかもしれないけどあんな扱いされて好きになる?笑 恋心はわからん、、、。
しかもあんな不当な解雇ないだろ!
ましてや役所で!

ただ、北村有起哉・市原隼人・菅田俊らの演技が非常に素晴らしかった。北村有起哉、『すばらしき世界』ではあんなに優しそうなケースワーカーだったのに、、、若頭のキレ者感半端なかったよ、、、!
市原隼人のスーツかっこよすぎ。同じストライプのスーツ買う。
駿河太郎にいたっては半沢直樹の湯浅社長のイメージが強すぎてどんな豹変ぶりだよとツッコミを入れてしまった。みなさん演じる振り幅がすごくて俳優さんってほんとにすごいなあと思う、、。

綾野剛のヒューマンドラマとしては微妙すぎるが、ヤクザを取り巻く20年間はよく描けていると思う。最後の酒席のシーンは哀愁がすごい。親子の盃を交わす儀式を観ているだけになおさらである。金銭的にカツカツになりながらも上等な寿司で祝うところに矜持を感じる。

ツッコミどころは多いが、総じて楽しんで観られる映画だった。
すばらしき世界 と連続して観たということもあって、邦画もまだまだおもろいなと嬉しくなった!
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