ぷかしりまる

ブリキの太鼓 ディレクターズカット版のぷかしりまるのレビュー・感想・評価

-
2時間強はいくらなんでも長過ぎ!私にはあまり刺さらなかった。原作に忠実に描いているけれど、見せ場が多いゆえ全体的に弱まっている気がする。しかし4枚重ねのスカートの中に追われている男を匿う、みたいなディテールは好きだ。
全編を通し、大人の世界の醜さを3歳の頃に知り、自ら成長することをやめた主人公による大人への嫌悪(主に性行為に対して)を込めた眼差しが向けられる。ブリキの太鼓を取り上げられると叫び声を上げ、ガラスを粉々に割るという彼の特技も印象に残った。
一番好きなシーンは、主人公が党大会のパレードでブリキの太鼓を叩き、演奏する曲をワルツへと変えてしまう場面。あとは主人公があわソーダのような粉末のお菓子を異性の肌にさらさらのせて、それを舐めとることで性に目覚める場面があるのだが、エロティックで良かった。
ナチに対するポーランドの態度を表しているらしい。ブリキの太鼓はヒトラーユーゲントを表してるらしい。