Eirain

海の上のピアニスト イタリア完全版のEirainのレビュー・感想・評価

4.0
『ニュー・シネマ・パラダイス』と並ぶ、イタリアの巨匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督の名作。Blu-rayを購入し、約26年振りの再鑑賞。

豪華客船・ヴァージニア号の中で見つかった一人の赤ん坊。世紀の変わり目の年に見つかったその赤ん坊は、"1900=ナインティーン・ハンドレッド"と名付けられ、船員らに愛されながらヴァージニア号の中で育っていく。ある日、人々が寝静まった夜更けに、船内のダンスホールから美しいピアノの音色が流れる。そこにはピアノを演奏する幼い"1900"の姿があった―――。「エンニオ・モリコーネの美しい音楽と共に描かれる、豪華客船の中で生涯を過ごした天才ピアニストの物語。」

「生き方を変えるために故郷を去った農夫」と「生き方を変える一歩を踏み出そうとするが、無限に広がる外の世界で奏でるべき音楽(=生き方)を想像出来ず、船上で生涯を終えた"1900"」、対称的に描かれる両者。(生き方を変える一歩を踏み出そうとするきっかけを作った、"1900"が一目惚れした少女というのが、その農夫の娘というのも憎い。)

人の生き様に"正解"などない。"選択"して辿った軌跡が"物語"として残るだけなのだから。
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