緑

海の上のピアニスト イタリア完全版の緑のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

テンポに若干のだるさを感じるも
各エピソードが観応えあって
寝落ちすることなく170分完走。

HDリマスターでこれだけ華やかさが伝わる映像なら
4K修復版だとどれほどなのだろう。

捨て置かれた1900を見つけたのが頼れるダニーでよかった。
ダニーをはじめ乗組員がいい人たちばかりで、
みんなに愛されてすくすくと育つ1900。
持って生まれた性質と愛され環境の合わせ技か、
イノセントの権化ような1900が出来上がる。

嵐の夜のくるくるとピアノごと移動しまくる
ピアノリサイタルは最高に「映画」だった。
船内設備を壊して怒られて開き直るのはかわいい。

ジャズ発明者との対決での1900のリアクション、
相手の演奏に感動して泣いている!
かわいいな、もう!
クリスマスソングでお茶濁し、
からの相手の演奏完コピという選曲がおもしろく、
次はなんだ? とわくわくしていたら早弾き……。
うん、手数多いの好きだけどね、
誰にでもすごさがわかりやすいけどね、
でもジャズピアニストとしての腕前披露で
それかよー、えー、じゃなくてさー、
すげー聴き応えあるし恰好いいけど、
うーん、いやー、と思っているうちに演奏終了、
からの熱を持った弦で煙草に着火。
早弾きであったことに全面的納得!

観終わってから読んだwikiによるとピアノ演奏シーンは
ティム・ロスの演奏映像にプロの音を重ねたものらしい。
ピアノが弾ける人だと運指と音のずれが
気持ち悪かったりするのかもしれないが、
なにもできない自分としては観ている最中、
もしかして役者が本当に弾いてるのか? と
思ったほど自然だった。
素人目を騙せる運指ができるまででも
相当に練習したのではなかろうか。

コーン吹きとの最期の会話で語られる
1900が船を降りなかった理由と人生哲学。
有限だから自由。
わからんではない。
わからんではないのだけれども!
選択は最大限尊重したいけれども!
尊重されるべきだけれども!
ああして人生を閉じたからこそ
過不足ないまとまり方になったのだけれども!
それでもコーン吹きには
「でも、やるんだよ!」の精神で
1900を陸に引き摺り降ろしてほしかった。

その他の気になりポイント。
海外の競走馬もへんてこ名前多い。
コーン吹きと話す楽器屋付き合い良すぎ。
コーン吹きの1900探しに船内同行する人ら付き合い良すぎ。
ジャズ発明者の歯に埋められたダイヤ。
女性専用の寝室(大部屋)に忍び込んで
一目惚れした女性にキスするという1900による痴漢行為。
名前に数字が入ると途端にロボとかアンドロイドっぽくなる。
将来、ピアノを奏でるAIが開発されて、
それが「T.D.レモン・1900(数字は開発年でもOK)」なんて
名前だったら私はフフッとなるはず。
緑