分断なんてどこにある？
生まれた世界で満足ができ、そこが全てなら見えなかった。地面に刻まれた段差は、理想や夢を見るようになってからより深くなった。
唐突な崩壊に依る解体を余儀なくされている今、そして、これからの希望を謳う物語だったように思う。
幸一郎が呟いた「あんまり似たくはないんだけど」という言葉に、抗えぬ呪いの中、この世界に蔓延る馬鹿馬鹿しくも愛しい均衡が崩れることへの祈りに感じ、その祈りは華子の姿を借りて現れ、幸一郎が見つける。
そういえば、昔、社会科の授業で男女共同参画社会という言葉を習った。平等な担い手が増えたなら、それぞれが抱えている孤独や負担が軽くなるかもしれない。
