柊

あのこは貴族の柊のレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
3.9
後日原作既読。
映画は大事な事をほぼほぼ省力していた。秘すれば花なのか?言葉にしない方が効果があるからなのかわからないが、少なくとも華子が大きく前進した事を幸一郎がきちんと認識するシーンはあっても良かったかな。狭い世界からの一歩を踏み出す人と言う訳で、門脇麦起用なら華子の成長した姿をもう少し観たかったな。原作みたいに。

とても心地の良い作品でした。

最初、階級差?って今時と思ってもいたけど、わかりやすい部分で言えば、下からあがりと外部受験生のくだり。私立に於いてはあるあるなんだろうね。くだらないと思うけど、そこには学校カーストとも言える世界が存在する事実は否定しない。

価値観が形成されるのは、環境つまり育ち。日本は平和で平等と思っていても実際には、生活圏に於いてはかなり階級差は明確なんじゃないかな。
この差を飛び越える事は簡単でもあり難しくもある。簡単に飛び越える事は可能でもその中に住まう事はまた別な話。上には上がいるように階級差は細かい。笑

生まれ持った物はそう簡単には切り離せないので、人は別な世界を夢みたりする…が結局価値観を変える事は大変な事で親の人生トレースするのは階級には関係なかった。

隣の芝生よろしく誰もが人の人生を羨んだりしてしまう。出会うはずのなかった二人が出会い、それ程深い繋がりができるわけではないけど、出会う事により気付けた部分がそれぞれの一歩を後押ししている感じは何かとても共感してしまった。
みきの部屋に行って全てがみきの大事な物で締められている事の羨ましさ。メニューを見なくてもオーダーできる姿が自然な人種への羨ましさ。
どちらの気持ちも推しはかれる。

常にタクシーに乗っていたはなこが最後歩いて帰る時、二人乗りの女子高生に手を降るシーンがとても素敵。
それにしても離婚を巡り両家が会う時、あれ程クラスを意識していたはなこの両親が平伏していたのが、医者ごときでは敵わないクラスがあるのか?と思わせられて、ちょっとねえ。
二世議員が勘違いするのもこういう事だよなってね。

石橋静河どんどん良くなるね。今回の水原希子は意外に良かった。でも山下リオは一緒に撮られるとたまったもんじゃないね。
門脇麦、大河でアンチいっぱいできちゃったけど、本来は力のある若手ではあると思う。でも衣装がちょっと似合ってなかった。

ちょっとお茶が、いきなりアフタヌーンティーって、私も引くなぁ。学生はスタバでも贅沢だぜ。と言う感覚大事だよ。
柊