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あのこは貴族のshinefilmのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
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めっちゃ良かった。普段遭遇することのない東京の内部「上流階級」の生活と、地方出身者の東京外部者の生活と選択。女性讃歌や男性性を撃つようなテーマかなあと思いきや、もっと広く、深い目線で、丁寧な手ざわりと眼差しで人間全体をそっと包んでくれるような描かれ方に惹かれました。たとえ違う階層で生きていようと、ゆるやかに共鳴する彼女たちの姿にひとすじの人間讃歌を感じました。シスターフッド映画と言われているけど、あまり声高に女性同士の連帯、と分類分けされるような映画ではないと個人的には思う。俳優陣良かったなあ。麦・希子ちゃんの再会シーン大好き。静河さんは助演女優賞ものです。健吾さんの登場場面カッコ良すぎて笑う。僕でも麦ちゃんみたいな顔して見てまいます。山中さんと石橋けい夫婦も銀粉蝶さんも津嘉山さんの存在感も良かった。あの両親からどうやって希子生まれてくんねんとは思いましたが(笑)、地方出身の根強さとある種の哀しみを体現してました。時折、台詞に説教くささを感じるところがあったけど多分原作の省けないエッセンスなのだろう。読んでみようかな。いやあ良い映画でした。
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