みずいろ

あのこは貴族のみずいろのネタバレレビュー・内容・結末

あのこは貴族(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

キャッチコピーは、「同じ空の下、私たちは違う階層(セカイ)を生きている」

良くも悪くも予告と、このキャッチコピーのままの作品でした。
けれどキラキラした東京や雰囲気は良かったのでこの評価で。

東京、渋谷の松濤(渋谷O-EASTとかの裏にあり、芸能人や政界の御屋敷があるそうです)に住む箱入り娘の華子(門脇麦)と地方出身で東京で奮闘する美紀(水原希子)が主軸のお話なのですが、もう華子や婚約者である幸一郎(高良健吾)の階層の世界は別世界すぎてもう分からないのだが、つい先日、2ちゃんねるを創設した方が上流階級の方について「あの方たちは人権がなく失敗は許されず好きに生きられない。成功することが当たり前でそれを死ぬまで続けることがまず凄いことだ。俺ならいやだ。」なんて事を仰っていたのを思い出しながら観賞していた。

下の階層から見ればとっても恵まれた階層なのだが自分を出すことを許されない世界。
対照的に、エリート街道に進もうと奮闘するも上手くいかない外部生と呼ばれる世界。
美紀の言うように「それぞれどん底の日もあれば最高な日もある」まさに、そうなのであろう。

しかし東京の良家出身でも上京してがんばる地方出身でもない東京の下町出身者のわたしはどうしても素直に見れなかった。どちらにも感情移入は出来なかった。

なにより、離婚をしなにをするかと思いきや友人のマネージャー的なことという華子に「ほら、やっぱりお嬢さんはお嬢さんだ」そう思ってしまったのだ。あそこで一から自分で仕事を頑張ったりしていたら違ったのだろうが、華子から見た大きな一歩は所詮その程度なのか。と。

そしてロケ班もう少しがんばってもらいたかったな、、幸一郎の別荘も結婚式した御屋敷も華子と幸一郎の新居もドラマや映画で見たところでなんだかなあ、ってなってしまった。
そして細かいが良家の娘である華子が冒頭で着ていた黒のタートルネックの左肩にハンガーの跡?のようなポッコリがあったり、幸一郎さんの家へ挨拶に行った時に着ていたチェックのセットアップのスカートの後ろが柄合わせ出来てなかった気がしたり。他のキャストの衣装がバッチリだったからこそ目に付いてしまった。気の所為だったかしら、、、

小説をめくるように進んでいく展開と隅々まで行き渡っていたキャスト、そしてなにより水原希子さんがとっても演技が上手くなっていて嬉しかった。ご自身でも言っていたように役である美紀が水原希子さんと同世代であり上京して頑張っている設定だったからなのが大きいのだろうけれど、これからが楽しみになった。

そしてもう1つ気になったのは美紀の住むお家、東京タワーがあんなに近くてあの広さはまあまあ家賃高いと思うぞ、、、って思ってしまった(笑)

東京に疲れたら定期的に観たくなるのかな。と思えた作品でした。
みずいろ

みずいろ