Yuri

あのこは貴族のYuriのネタバレレビュー・内容・結末

あのこは貴族(2021年製作の映画)
1.1

このレビューはネタバレを含みます

原作未読です。「いつでも別れられる自分でいたい」「地方も貴族も親の仕事をトレースしているだけ」「女の世界は階層で分かれていて、対立するように仕向けられている」など共感したり、いい得て妙だなという台詞は幾つかありましたが、その他は嫌にボンヤリした話だなぁと思いました。言いたいことがあって、何と言いたいのかわからないまま生きてきた華子の頭の中みたいな感じ。原作は細かな心情描写がされていそうな雰囲気でしたが、数年にわかる華子と美紀の山あり谷ありの感情の部分があまり描かれていないので、ダラダラしちゃってるけど、どこに着地させるのだろう?と思いながら観ていました。きっと、華子は幸一郎のことが本当に好きで、でも自分の夢や生き甲斐を持つ術を持たざるを良しとする世界や、そこから抜け出す勇気がない自分と決別したかったのだろうなと。幸一郎が‘遊びの女’と‘結婚する女’を周囲と同じく全く悪意なく分けているのも、自分の力で生きようとキラキラ輝いている美紀への憧れがあったのかも知れない。やってることは最低だし、それに気付いていないのも最低だけど(>_<)「別れられる自分」になれた華子と幸一郎は初めて互いへの気持ちのみで向き合い、何かが始まるのかも知れないなと思いました。でも、ぼんやりとよくある話から脱却出来ていないので、わざわざ映画で見せる出来ではないかな。
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