KeiRalph

あのこは貴族のKeiRalphのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.0
「ブックスマート」と同じく、中央と地方、上流と中流などのヒエラルキーを批判的に捉えず、どれであっても善も悪も無い、という多様的社会の中で自分自身のあり方を見出す作品。ちゃんとついていかなきゃ、今後はこれがスタンダードになるぞ!

貴族的生活にどっぷりの華子と、地方からの出身で、東京に呑まれつつもサバイブしていく美紀。それぞれの日常的な移動手段が特徴的ですが、特に華子が雨の東京の街(ここで雨というのも、とあるメタファーなのか?)を徒歩で移動するシーンで、思わず「クララが立った!」と言いそうになりました。

私はぶっちぎりの美紀側ですが、だからといって華子の生活ぶりを批判的に捉える事も無く、そっちはそっちで大変ですよね〜…と理解できるのが本作の良いところ。

結局、2人の関係性に大きく関わる幸一郎という男性の存在も、結果的には許容する他ない。とはいえ、男なんかいてもいなくてもどっちでも良いわ…と諦観せざるを得ないですが。

特に言いたいのは、恋愛映画ではありがちなシチュエーションのチャリンコのニケツシーンを、鬱陶しいと思わなかった映画は初めてです!(あ、キッズリターンは別)
KeiRalph

KeiRalph