ちゃわ

あのこは貴族のちゃわのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.5
幼稚園からエスカレーター式の私立に通い、一度も引越ししたこともなく、常にタクシーで移動し、紅茶の味は詳しいが、世間知らずのお嬢様。結婚=幸せと信じ、オズの魔法使いの話で意気投合したと思えた、格式高く、裕福な家と結婚する。
一方、大学から受験して入ってきた外部生の田舎者は、授業料が払えず中退し、夜の仕事でお金を稼いでいる。当然内部生とは話も合わず、華々しい未来も約束されていない。自立して、人脈を作り、友達と立ち上げた会社が回るように自転車で街を駆け巡っている。
果たしてどちらが幸せなのか。
一見何の不自由もない、お金持ちの方が勝ち組に見えるが、家族揃っても人の悪口や世間体や見栄ばかりで、高級なものを食べているはずなのに笑顔がなく、息苦しい。
田舎に帰って手作りのおせちを食べ、全て自分で買った物に囲まれ、自分で借りた狭いアパートから小さい東京タワーを見ながら、やりたい仕事をし、なんでも好きな事が言える方が、充実感がある。
幸せとは、人から押し付けられたものではなく、自分から取りに行くものだと気付かされる。同じ街に住んでいても全く違う景色の2人。スクリーンに映る東京の風景が印象的。
ちゃわ

ちゃわ