ちゃわ

ほんとうのピノッキオのちゃわのレビュー・感想・評価

ほんとうのピノッキオ(2019年製作の映画)
3.5
実写版があると知り、アマプラで鑑賞。
ディズニーの方は見た事が無いので、比較は出来ないですが、思っているよりも数段怖い話です。

まず、ピノキオが誕生するや否や、作り主のゼペットおじさんの言う事を聞かず、走り回り、足を暖炉で乾かす間に火が燃えうつり、足を焼いてしまうところからスタートします。ゼペットおじさんは再度足を作ってあげ、学校で勉強するようにと、持っていた唯一のコートとジャケットを売り、教科書を買ってくれます。しかし、そんな大切な教科書をあっという間に売り飛ばし、人形劇に行ってしまいます。ピノキオが人形で、自分以外の人形を見た事がないから、興味を持つ事は当然のような気もしますが、この物語はとても手厳しく、一つ間違った行いをすると、ほぼ死が待っています。この時も人形劇のオーナーに捕まり、危うく晩御飯の肉を焼く木材として焼かれてしまうところでした。

人形劇から家に帰る道すがら、狐と猫に遭遇します。彼らはピノキオが持っている5金貨を見るや否や、土に埋めて水をあげれば、お金の木が育つよと嘘を教えます。コオロギのジミニーが、楽してお金は稼げないと忠告しても、全く耳を貸さず、金貨を土に埋め、騙し取られます。さらに、木に吊し上げにされます。またしてもピノキオは死にかけますが、たまたま通りかかったブルーフェアリーに助け出されます。
フェアリーは、どうして吊るされたのか、いろいろ質問するのですが、ピノキオは全て嘘をつきます。その度に鼻が伸びていきます。最後にブルーフェアリーはキツツキたちを呼び寄せ、長くなった鼻に止まらせ、鼻を砕いてしまいます。ブルーフェアリーはいい妖精だと思っていたので、とてもショッキングでした。
ピノキオはやっと学校に行くようになるのですが、クラスメイトの男の子に、お菓子の国に行く事を誘われ、またしても騙されてしまいます。お菓子を食べると翌朝ロバになっていました。しかも、サーカスに売り飛ばされ、火の輪をくぐるショーで足を火傷し、使い物にならなくなったため、重石をつけて海に沈められてしまいます。再び死に直面します。
ここで奇跡が起き、元の木の人形の姿に戻ったピノキオは、なんとかサーカス団体から泳いで逃げますが、今度は鯨に丸ごと飲み込まれてしまいます。ここで、ピノキオの事を心配し、ずっと探しに出ていたゼペットおじさんと再開します。
鯨から逃げ出た2人ですが、おじさんはすっかり弱っていました。ピノキオは働いてお金を稼ぎ、おじさんに食べ物を与え、身体が良くなるまで付き添います。この行為を見ていたブルーフェアリーが、ピノキオの願いを聞き、人間の少年に生まれ変わらせてくれます。

このように、ちょっとしたことで3度も死にそうになるという仕打ちに、びっくりしました。きちんと親の言う事を聞き、勤勉に励みなさいというメッセージだと思いますが、あまりにもバッドエンドすぎて、トラウマになりそうです。ピノキオの行いもとても酷くて、自業自得で救いようがないのも残念なところです。せっかく忠告してくれたジミニーに、イライラする、黙れ!とハンマーを投げつけるシーンは本当に絶望的でした。

幼い子供と一緒に見るには、残酷なシーンがあるので、十分注意して見て欲しいです。少し大人向けだと思います。

今まで、ディズニーランドのエレクトリカルパレードで、何故ミッキーでもミニーでもなく、ブルーフェアリーが一番最初に登場するキャラなのか、不思議に思っていましたが、少しディズニーの思いが伝わった気がしました。
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