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あのこは貴族のsatooommのネタバレレビュー・内容・結末

あのこは貴族(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

いいシーンがいくつかあった。
けど、期待値が高すぎたか。信頼できる友人たちが褒めてたので、ものすっごいやつなのかと思ってしまっていた。

いいシーンはやっぱり、自転車の女の子たちとのバイバイと、ミキティの爪切りと、華子のふすま閉めるところなどなど。華子の家族もリアルだったな。
あと高良健吾さんがものすっごいよかった。
嫌な奴にならない、だけどどちらの女性にも深入りさせない、優しさと冷たさが絶妙。
全体的に役者さんはとってもよかった。

乗れなかったのは、つきつめれば華子にリアリティを感じられなかったからなのかな。
ああいう上流の中?くらいの女子って、ちゃんと割り切っていいとこの主婦やるか、ちゃんとキャリア築くかどっちかだと思うんだよな…。
その意味では石橋静河演じる逸子の方がリアリティある。お嬢様だから夢を追えるし、理想で生きられる。
語弊あるけど、ちょっと華子がおバカすぎる気がした。あれだけのお家に育ってたら、もっと教養があるし、幸一郎みたいなのと結婚したら、のちは立候補、そして嫁は子供を産め産めプレッシャーなんてわかるんじゃ…。
いや、仮にわからない子だったら、最後に離婚選ばないんじゃ…。
なんてちょっと華子に厳しすぎるかもしれないけど、それが率直な感想だった。

でも一方で華子の家族関係はリアル。
お金持ちだけど、結構ずさんなことしてたり(ジャムなめたり)、下世話な話する姉妹がいたり、自分の親は離婚のとき一緒に頭下げてくれたり。「普通の家族」の一面がちゃんとある。

逸子と華子はあの後どうなるんだろう。結局、どっかで親のコネで仕事するのか、結婚するのか…。親の作った世界から抜けられない未来しか見えない。それを描いたといえばそれまでだけど、悲しすぎる。

シスターフッドよりも高良健吾が印象に残った作品だった。
まぁ、それはそれで悪くない。
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