naima

あのこは貴族のnaimaのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.3
ファッキン・ソフィア大学に入学したての頃を思い出した
池袋のロクシタンカフェでお茶して、お会計の時死んだこと
東京の子たちは18歳で「お茶しよ〜」って言うのに驚いたこと
地方出身者同士でも仕送り額明らかに違ってバイトしなくてもアフタヌーンティーできる子と食べたパルコの中華料理
地元では割と金持ちだと思ってたけど、東京では一般家庭レベルだと思い知った時の惨めさ
コムデギャルソンとかヨージヤマモトとかを着てる子たちとGUのTシャツを着てた自分のこと
友達の軽井沢の別荘に行って「ファストファッションって何のためにあるの?環境に悪いのに」ってその子が言ったこと
エルメス、とかティファニー、とかセリーヌとかのブランド名を言い慣れてるあの感じ
誘って貰ってコルヴィジェの展示を見に行ったけど、全然美術館なんて行ったことなかったし、コルヴィジェって誰?でどうしていいかわからなかった時のこと
みんなと遊ぶためにお金使って、教科書とか買えなくて図書館のを借りパクしてたこと
そんな自分の横をハイブランドのバッグを持った子が通り過ぎて惨めだったこと
綺麗な子たちが綺麗な家に住んで家族と旅行してるストーリーをおじさん達と飲んで潰れて家に帰る時に見てたこと
そのギャラで買ったバッグ(LV風モノグラム)は友達の持ってる本物一つの値段の10分の1の値段だということ
真昼間の表参道の路地で泣き崩れたこと


その全てのやり場のない憤りと、悪意のないあのこの呪いがちょっとだけ解けた
そんな映画
どんな立場の人にだって最高の日もあれば最悪な日もある、って言葉がすごくよかった
naima

naima