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あのこは貴族のMiYAのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
3.7
まず、深窓の金持ち令嬢の華子(門脇麦)のセレブ生活が浮世離れしててめちゃくちゃ面白い。対照的に描かれる田舎出身の苦労人の美紀(水原希子)との接点がどこで生まれるのか、ぐいぐい引きこまれていきます。

そして、あるダメンズを介して知り合うに至ったこの2人の関係もまた控えめながらも面白い。あまりの境遇の違いに反感を抱きそうなところ、そうはならないのだから、この2人の好感度はすこぶる高いです。

とは言え、この2人が固い友情で結ばれるという展開とはならず、本作の結末はやや消化不良感があり、そこに不満がなくもない。しかし、2人の階級の違いは明白にあり、その微妙な距離感のある中で、少しだけ響き合った(特に美紀の方に)。そんな挿話なのですね。

そもそも、2人にはそれぞれ素敵な親友(石橋静河、山下リオ)がいるわけで、それで十分とも言えます。この4人の魅力的な女性たちの魅力的な関係が生き生きと描かれる。本作の最大の美点。本当によい空気感のドラマです。
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