あにお

茄子 アンダルシアの夏のあにおのレビュー・感想・評価

茄子 アンダルシアの夏(2003年製作の映画)
4.6
足りないところも余計なところも一切ない、完璧に調和の取れた珠玉の中編アニメ映画。無駄な導入も何もないのにスッと作品に入り込めて、観終わってもずっと余韻が後を引く。

初めて観たときはふつうにジブリ作品だと思ってた。黒田硫黄の原作も知らなかった。自転車のことも何も分からなかった。「自転車ショー歌」に出てくるメーカー名なんてほんのいくつかしか分からなかった。

それがまさか『TRIGUN』からマッドハウスの良さを知り、よしもとよしともとのコラボから黒田硫黄も好きになり、本格的とは言えないが嗜み程度にロード乗るようになるとは…人生何が起こるか分からないものである。「自転車ショー歌」の歌詞もほぼ全部分かるようになった。

監督が自転車乗りだけあって、マニアも納得(たぶん)のマニアックな描写。シマノとカンパのシフター描き分ける時点でもう既に普通のアニメではありえないでしょ。それでいながら一般人置いてけぼりの自己満作品にならず、ロードレースのこと何も知らなくても楽しめる作り。自分自身が両方の立場で観たから間違いない。この両立はもはや奇跡に近い。
個人的には2003年だけあってバイクがホリゾンタルフレーム全盛期なのが嬉しい。
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