なっこ

劇場版 アーヤと魔女のなっこのレビュー・感想・評価

劇場版 アーヤと魔女(2020年製作の映画)
2.8
/あらすじ/(NHKHPより)

わたしはダレの言いなりにもならない。

舞台は、1990年代のイギリス。
主人公は10歳の少女、アーヤ。赤ん坊の頃から孤児として育ったアーヤは、誰もが自分の思いどおりにしてくれる孤児院での生活がとても快適だった。
だから、誰かに貰われたいなんて、一度だって思ったことが無かった。
ところがある日、突然やってきた変てこな二人組、派手な女と長身の男に引き取られることになってしまう。

「あたしの名前はベラ・ヤーガ。魔女だよ。あんたをうちにつれてきたのは、手伝いがほしかったからだ」。
そう名乗った女に、アーヤは、「じゃ、決まりね。おばさんが私に魔法を教えてくれるかわりに、私がおばさんの助手になったげる」と返す。しかし、ベラ・ヤーガはアーヤを助手としてこき使うばかり。いくら頼んでも、いくら仕事をがんばっても、一つも魔法を教えてくれない。
魔女と一緒に暮らしている怪しげな男マンドレークは、食事時しか顔をみせない。いつも不機嫌そうで、口癖は「私をわずらわせるな」。

生まれて初めて“思いどおりにならない”壁にぶつかったアーヤだが、「よおし、負けるもんか」と反撃を始める。
彼女の特技は周囲の人を操って、自分の思いどおりにさせてしまうことだった。

/感想/

新しいはずだけどなんだか懐かしい気もする、児童文学を読んでいた頃が懐かしくなる。物語の魔女や孤児院といったものに違和感なくついていってた頃の自分を思い出す。

強気なヒロイン、めげないヒロインが頼もしい。

「霧の向こうのふしぎな町」を原作とした『千と千尋の神隠し』を思い出させる働く女の子としてのヒロイン像。
そして“あやつる”という名前を持つ少女らしく、周囲を彼女に都合の良い方向性へと変えさせる力がある。彼女自身が自らのその力を誇り信じているところが魅力的。大人というのは本来悪い人ばかりじゃないはずだけれど、普段子どもに接し慣れていなければ、養父母のようにそっけなく命令口調でしか接することができない。ヒエラルキーの中で生きることに慣れ切っているから、そんな現実を思い起こさせる。

キャラクターとしてはマンドレークがお気に入り。

これが一回きりではなくて、新しい家族となった彼らの日常がこれから描かれるのなら見ていたいシリーズ。
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