舞台挨拶付き上映。テレビドラマの時に余りにヒロインがあざといと感じ、見るのをやめたのだが...映画はまるで印象が違った。弱く見える人間が実は強くて、1人で生きていけるよと言われる人間の方が実は弱い。まさにそれを深田監督がこのスクリーンで表現し、土村芳さん、森崎ウィンさんでそれを体現した映画。確かに前半は土村さん演じる浮世が観る側に不快感と嫌悪しか感じさせないが(特に女性には)、後半はそれがガラリと変わる。それがとてもなぜか清々しいのだ。潔いほど自分に正直な浮世がやはり可愛いのだ。あれ？いれかわってる...という感覚にまでなる。深田監督が得意な、人間の業の深さや欲望に忠実なさまみたいなものを見せつけられた作品。そして何より、土村芳さんは浮世を演じるにうってつけの女優さんで、今後もっと大きく羽ばたいてくれるだけの力があると思う。映画はかなりの長丁場だが、あっという間。間に休憩のある映画は久しぶりで新鮮だった。
