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マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙のyのレビュー・感想・評価

4.1
政治家を志し、イギリス初の女性首相となりその後退陣するまでを描いた政治家マーガレット・サッチャーの物語でしたが、一方では夫婦の物語でした。

認知症を患うマーガレットが現在と過去の記憶を行ったり来たりするので少し散漫ですが、その散漫さが現在のマーガレットの置かれた状況をよく表しているように思いました。老女の心もとない様子は胸が痛みます。

マーガレットとデニスは普通の夫婦ではなかったと思いますが、マーガレットにとって夫の存在はある種の拠り所だったんだろうなと思いました。想像ですが、夫の遺品を処分するのはかなり辛い作業だと思います。
亡くなった夫とあれほどリアルに話ができるのなら幻覚も悪くないなと思いました。

責任と重圧に押し潰されず11年も首相という立場を続けた彼女が「鉄の女」と言われるのも納得。名付けの云われはさておきこれは褒め言葉ですね。

サッチャー首相が首相官邸を後にするシーンはぐっときました。側近の言葉にもう少し耳を傾けていたら‥と思いましたが、信念を貫くことと周りの意見をよく聴くことを両立させるのは至難の業なのかもしれません。
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