「エホバの証人」教会の指導者を夫にもつ主人公
物語冒頭で教会に火炎瓶が投げ込まれ一面火の海となり、夫は警察に捜査を依頼
警察によるまともな操作が行われないなか刑事だと名乗る男が事情を聞きに来たことで過酷で苦難の道を歩むこととなるというお話
再建のための金策や自身の地位の維持のことしか考えず主人公に考えを押し付けることしかしない夫という問題はあるのですが、この作品の肝は固定カメラでの長回しにあるような気がいたします
冒頭の放火や主人公が受ける「事情聴取」、全く聞き入れられない夫との会話、そして後半で待ち受ける凄惨な事件
狂気的なまでのカメラワークにより、主人公に救われてほしいというこちら側の願いに対し目に見えぬ壁を明確に打ち出し、感情移入したくてもできない無力感に苛まれることを意図した…のかどうかはわかりませんが、劇伴すら流れない静かで重苦しい空気で重く辛い気持ちになることは間違いないと思います
面白いかどうかでいえばそれほどでもありませんが、なかなか目が離せない作品だったことは間違いありません