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「BEGINNING/ビギニング」に投稿された感想・評価

leyla

leylaの感想・評価

4.0
ジョージア出身のデア・クルムベガスビリという女性監督の長編デビュー作。
スタンダードサイズで描かれます。

👇以下、ネタバレ含みます⚠️






ファーストショットから衝撃的なリアリティ。
「エホバの証人」の集会所に、突如として火炎瓶が投げ込まれる。10分近い固定カメラによる長回しの中、人々が逃げ惑う姿が淡々と映し出される。現実にそこで行われているから恐怖を感じる。少数派の宗教の悲劇。

宗教家としての生活に疲れ、牧師である夫にも抑圧されている妻が、冒頭の事件をきっかけに歯車が狂っていく。

妻ヤナの日常が描かれる。
劇伴もなく、寡黙。説明もないけれどサスペンスフルで不穏。

警察と名乗る男がやって来て、妻は侮辱され、果ては川辺でレイプされる模様を固定カメラで遠くから捉える。これもまたリアリティがあって冷酷。

ラストのひと言は、冒頭の牧師(夫)の教えにつながっているのか。息子を神の生贄とすることで信仰心を表すという。

死んだふりをするシーンの長回しは5〜10分ぐらいあったかな。大胆で印象的なシーンだった。

宗教的な意味合いが濃く、神の不在、信仰の意義と束縛を感じさせる。ラストは神からの罰なのかな。寓話的だった。

いろいろ解釈できる作品でした。
確かにアケルマン監督を彷彿させます。

なかなか凄い新人女性監督の登場だな〜



✴︎ゴリアテの憂鬱さん、ありがとうございました。
TS

TSの感想・評価

-
JAIHOで独占配信されていて、評価が高くて見ましたが自分にはあまり理解できない作品でした。見どころは最初に火炎瓶が教会に投げられたシーンくらいで、あとは正直退屈なシーンばかり。しかも、ワンカット数分のシーンがざらにあるので辛い。それもほとんど何も起こらないシーンばかり。まあこれも監督の意図で設定されている所要時間だから仕方ないとしても、それでも自分には良さは伝わりませんでした。やはり「映画好き」ではあっても「シネフィル」には到底なれないなと痛感させられた一本でした。宗教や哲学を映像だけで淡々と長回しで訴えてくる難解な映画は自分は苦手なんだなやはり。
yuyuyu

yuyuyuの感想・評価

4.0
自分は無宗教だし男性だし独身だし日本人だし、根底からこの映画を理解することは無いんだろうけど、難解な描写の裏に普遍的で単純な分かりやすさもある映画だった。

カメラワークが独特で、一周回って魅入った。
冗長も突き詰めれば刺激となることを感じた。

なんか評価難しい面白いかと言われたらあれだけど、この先もたぶん忘れんだろうという意で星4。
Tatsu

Tatsuの感想・評価

-
長回し、フィックス、スタンダードサイズ、という今となってはそこまで新鮮味を感じない形式主義ながらも画面の情報量がすごい。冒頭の教会への放火を建物内から映す鮮烈さ。決定的な暴力がちゃんと恐ろしく撮られている。
上旬

上旬の感想・評価

4.5
【第93回アカデミー賞 国際長編映画賞ジョージア代表作品】
カンヌ国際映画祭2020のオフィシャルセレクションに選出され、サンセバスチャン映画祭では歴代最多の4冠を達成した作品。アカデミー賞代表に選ばれたがノミネートはならず。

ジョージアでは少数派であるエホバの証人の指導者の妻が被る受難を描く物語。今年観た中ではダントツで心抉られた…男の僕でもそうだから女性にとってはかなりキツいのでは…

ジョージアにおける女性の地位の低さ、またセカンドレイプに関する物語でもあり、聖書的な残酷な美しさのある作品でもある。

ヤナが川辺でレイプされるシーンは引きの固定カメラが逆に残酷で冷たく、見るに耐えなかった。そしてそのシーンや子供が遊ぶシーンでの草木の美しさが逆に残酷さを際立たせていた。

ハネケやルーマニア・ニューウェイブと比較する声が多いようだけど、少数派の女性が受ける受難と最後のレイプ犯を含む一行が一列になって狩りをするシーンなんかはキュアロンの『ROMA/ローマ』の影響があるのかなと思ったりした。

ラストは解釈が分かれるあたりだろうけど、ロトの妻が塩の柱になった聖書の逸話になぞらえているのかなと。

ヤナが「殺した」と言っているのは子供ではなく、自らの「子供性」なのではないか。

静かで残酷な、でもジョージアの風景や風土が美しい傑作。もう二度と観たくはない。ヴァーホーヴェンの『ELLE エル』が観たくなった。
巧みな構図と長回しで(それをメインウェポンとして)ぶん殴ってくる系の作品は自分の趣味にはあまり合わない傾向があるけど、監督の凄まじいセンスに圧倒されて思いのほか楽しめてしまった。ある意味映画という芸術の極北に位置している作品かも。
ジャンヌ・ディエルマンみたいな静けさ

最後のシーンは深田晃司『さようなら』のチョコレート人形を思い出した

Rati Onelliは脚本・助演・プロデュース
ジョージア出身の女性監督,デア・クルムベガスヴィリの長編デビュー作。

ジョージア正教会の信者が国民の大多数派というジョージア郊外の町で、少数派〝エホバの証人〟の教会に突然火炎瓶が投げ込まれ、教会は全焼してしまう。
しかし、教会の指導者ダーヴィドが警察に捜査を依頼しても、その警察さえもまともに取り合ってくれない。

そして、ダーヴィドが教会を再建する為の資金を長老達に相談する為に暫く家を留守にしている間に、妻ヤナの身に悪の手が振りかざされる。

執拗な長回しや、家の中の母と息子の構図、そして象徴的な皮剥きシーンと、『ジャンヌ・ディエルマン』へのオマージュが感じられる作品でした。

〝人の視点ではない〟角度の定点から残酷なまでの長回しで写される映像は、神の不在を証明するかのような無慈悲なものでした。

フレームワークや色彩も美しく、これはまた素晴らしい監督が出てきたなと思いました。

映画館で観たかった。
kyoko

kyokoの感想・評価

-
固定カメラによる長回しといい、『ジャンヌ・ディエルマン』の芋むきを彷彿とさせるシーンといい、これはやはりアケルマンに対するオマージュ作品なのかしら。
アケルマンをさらに暗くした感じで、4:3の画面が固定される息苦しさと尋常じゃない長回しに、つねに我慢比べをさせられている気分になった。
「死んだふり」がまさかあんなに続くとは…

多数派のジョージア正教会に対して、少数派の「エホバの証人」
その教会に突如火炎瓶が投げ入れられたことから始まる、指導者の妻・ヤナにふりかかる悲劇は、あまりにも残酷でとうてい神様がいるとは思えない。あの無音の場面は地獄過ぎた。
それとも、男に従わざるを得ない女にとって、これも神から与えられた試練だというのか。

彼女の行動は神への復讐のようにも思えたけれど、冒頭の教訓や寓話的なラストを考えると、教えに対する純粋な気持ち?にも思えたりもして…つくづく宗教ものの難しさを実感。
そして、同じ女として母として、「面白い」と表現してよいのか分からず、ノースコア。
AS

ASの感想・評価

4.0
フィックス長回しで“不在”を定点観測する視座がどこまでも鋭利で禍々しい
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