19世紀イングランドの封建社会に暮らす2人の女性の運命的な恋を描いた作品。
彼女たちは男性社会のなかで孤独を感じ、満たされない想いを抱えていた。
世界の中に身も心も埋もれていた彼女たちの絆と愛が、自分自身と人生を見つめ直す抒情的な心情へと昇華していく。
そんな純粋で複雑なラブストーリーが静謐かつ烈しく描かれている。
登場人物たちの多くは実在の人物。
ケイト・ウィンスレットの演じたメアリー・アニングはイクチオサウルスの骨格を発見したことでも知られる化石採集者。
シアーシャ・ローナンが演じたのは、地質学者ロデリック・マーチソンの妻で自身も地質学者であったシャーロット。
家族を亡くし、年老いた母親と2人で貧しい暮らしをするメアリーと、裕福な階級の妻として暮らしてきたシャーロットとの間にある壁のようなものも目を背けず描いている。
2人の演技、特にケイトの演技は素晴らしい。
劇伴も見事。