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アンモナイトの目覚めのmjnkのレビュー・感想・評価

アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)
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2023/06 CS録画。1840年代イギリスを舞台にしたラブストーリー。『燃ゆる女の肖像』を思い出させるものの、こちらはラブストーリーのみに焦点が当たっている印象。その焦点の絞り方や雰囲気、描写はわりと好きなんですが、終盤で「それ台詞で説明しちゃうんだ」というシーンがあって、ここまで台詞で語らせずにきたのに、と少しがっかりしてしまった。その後も素人の私が「こういう事が言いたいんだろうな」と簡単に想像した、どこかで見かけたような月並みな言い回しを台詞にされてしまって、台詞にするにしてもそこはもうちょっと違う表現が良かったなと思いました。
観客の目線に近い(分かりやすい)と捉えれば良いのかもしれないけれど、台詞で語らない作風なら徹底して語らない方が好みです。

ケイト・ウィンスレット、シアーシャ・ローナンの2人はとても良かったです。

映画で描かれる2人は実在した人物がモデルだそうですが、監督インタビュー記事によると「女であれ男であれ、メアリーが誰かと関係を持ったという証拠は一つも残っていない」らしい。
なのでその辺はモヤッとしなくもないんですが(男女どちらに対しても恋愛感情を抱かなかった人かもしれないし、色々な事情があったかもしれない)、とは言えその部分の真相を知るにはもう本人に聞くしかない気もするし、恋愛に限らず実在の人物の感情の動きを勝手に想像して作られる映画はいくらでもあるので、この映画に関しても「これも解釈のうちのひとつ」という事でしょうか。

監督インタビュー↓
https://eiga.com/news/20210304/5/
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