すみ

Summer of 85のすみのネタバレレビュー・内容・結末

Summer of 85(2020年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

「最高に美しい夜だった。どんなに愛しても足りなかった」

ため息が出るような美しい映画。
街の風景、アレックスとダヴィッドの横顔や体格の対比、アレックスの紡ぐ言葉の一つひとつ。
アレックスのいう「終わりの始まり」が想像してたよりもずっとリアルで悲しくなった。
夢のように始まった恋だったから夢のように綺麗に終わるんだと思ってた。
アレックスの中で、ダヴィッドと過ごした6週間はずっと綺麗な思い出として残り続けるんだろうな。別れ際のどうしようもない憎しみよりも、初めて与えられた幸せと愛しさがきっと優ってしまうんだよ。あとこれはわたしが勝手に思うだけなんだけど、ダヴィッドが自分に会いに来るために死んでしまったという事実はどこかでアレックスの心の拠り所になるんじゃないだろうか。
ダヴィッドの人生の最期の最後にダヴィッドの心の中にいたのは自分だったということは、ダヴィッドを独り占めしたくて仕方なかったアレックスにとっては最大の幸せだったんじゃないかと思うよ。
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