Taul

アナザーラウンドのTaulのレビュー・感想・評価

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
3.0
『アナザーラウンド』鑑賞。良くない見方だと思うがアカデミー賞授賞式でのトマス・ヴィンターベアのスピーチや彼の亡き娘さんのことが頭をよぎって泣けてしょうがなかった。マッツ・ミケルセンと組んだ過去作『偽りなき者』の深刻な暗さもありながら全て振り払おうとするかのような人生讃歌の味わいへ。監督の思いが伝わる。

『アナザーラウンド』酒にゆるいデンマークでの酒映画だがそれは主にメタファーであってそこに絡めた語り口がそつがない。中年男達のどうしようもなさがほろ苦く、馬鹿馬鹿しい試みから見えてくる希望。アル中警告は程々なのがさすがで堅苦しい時代への反抗を感じる。0.05%のユルさ、その大切なスピリット。
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