「血中濃度を0.05%に保つと仕事の能率が上がり、前向きに生きられる」という実験で人生を輝かせようとする中年たち。
そのコメディ感とヴィンターベア監督の美しくも容赦ない重い作風が合わさった結果、生まれた独特の世界観が最高。
マッツの重くて可愛い芝居も素敵。
競歩するマッツがたまらん。
アルコールに対して正でも非でもない一歩引いたトーンの語り口も魅力的。
この映画を見て飲みたくなるか、飲みたく無くなるか…自分はキャビアとウォッカで一杯やりたくなった。
また、ラストシーンがとにかく素晴らしい。
いい事悪い事ない混ぜになって…その先のラストカットが最高すぎる。
個人的には2021ベストラストカット。
美しい光の中サッカーをする少年たち。
暗い教室で響く凛としたデンマーク国歌。
急にトーンチェンジする展開。
とにかく監督の美的センスと意地悪さが滲み出ていて堪らない。
その濁流に翻弄されながらコメディ、シリアス、群像劇、恋愛と流れて揺られる2時間は至高。
是非劇場で見てほしい秀作。
