このレビューはネタバレを含みます
主人公と友人たちがそれぞれ人生の危機を迎えつつ、問題に向き合うよりもライフハック(この物語では”適切な”飲酒)で乗り越えようとする。
現代人は老いとどう向き合うのか?という逃れられないテーマを提示していると思った。
寿命が伸びた分、中年時代は長くなり、諦めつつも諦められない、若くもなく老いてもいないどっちつかずの時期が続くことに、どう折り合いをつけていくんだろう。
ソムリエがいるようなレストラン、パブ、友人宅、体育倉庫でのコッソリ飲みまでとにかく色々な場所で飲むシーン満載で、それぞれ自分の似たような記憶(や苦い経験)を思い起こさせられた。コロナ禍ですっかりそういう機会も減ってしまったので懐かしく感じる。
飲酒に関しては「上手く飲めば役に立つし、飲まられば危機に陥る」という中立的なスタンスの映画だと思うけど、主人公の妻がエッセンシャルワーカー、友人妻は授乳中で「そもそも上手く飲む機会すらない人たちもいるけどね」というところをチラッと見せてくる辺りが好きだなと思った。