武者鬼

アナザーラウンドの武者鬼のレビュー・感想・評価

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
3.0
評価が高めな作品ではあるがリアルで酒に弱い親を見て育ったのが影響しているのか嫌悪感のほうが勝ってしまった

ラストのマッツのダンスはとても良かった

話は冴えない学校教師達がたまたま耳にした血中アルコール濃度0.05%を維持すれば効率的に仕事ができるという話を藁にもすがる思いで始めてみたら思いの外うまく行っていくのだが…
という話であるという話を聞き見たわけなのだがその理由は私自身の家族にお酒にまつわる人が多いため気になっていたのだ

祖父が昔杜氏をしており、その時の思い出は一年に2回位ひょっこりと帰ってきて日本酒を飲んで顔を真っ赤にしていたことくらいだ
呂律が回らなくなり性格までは大きく変わらないものの何を考えているのか分からず素直に言えば苦手だった

父はたくさん飲まなければ大して変わらないが飲み会などで酩酊状態に近くなるとテンションが爆上がりし、いわゆる絡み酒のようになった
そして酷いと作中に似たような失敗もしたため作中で子供が親へ向ける視線の意味が痛いほどわかった

私はそんな子供時代を過ごしたため同じように祖父も父も吸っていたタバコも嫌いになったし、酒は飲むが酩酊まで飲む人たちの嫌悪感が凄まじいものになった

そしてなおかつ私は酒に酔ってもテンションが上がるどころかむしろ一定になるというような形になるため飲み会などでも楽しめた試しがない
記憶も残るし、テンションも上がらないと何を楽しむかといえばそれこそ今度は味や香りになってくる
そのため酒自体に嫌悪はあまりなくやはり飲まれる人が一番嫌いになっていったのであった

作中での成功は大げさでも、失敗はとてもリアルな形で表現している
酒をワイワイ馬鹿みたいに飲むことは今でも理解できないがもっと酒自体に目を向けてあげてほしい
武者鬼

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