MURANO

アナザーラウンドのMURANOのレビュー・感想・評価

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
4.3
この映画を観た後にちょっと予定あったのに、内緒だけどついつい途中でビール飲んじゃったよね🍺

「血中アルコール濃度を常に0.05%に保つと仕事もプライベートもうまくいく」という哲学者による仮説、なんだかすごく胡散臭いんだけど、それを信じてみたい気持ちは、わかります(笑)

以前、緊張を解くために採用面接前に酒を引っかけてから行く、とか言ってたヤツがいたな、なんてことを思い出していました。

この映画の中でも、酒が入ることで解放された力(主には社交性のアップかな)によって、人生が好転した描写が数多く登場します。

歴史上の偉人の三択選挙だったり、メガネ少年のサッカーだったり、爽快で笑えるシーンが良くて、ついつい酒が飲みたくなっちゃうんですよね(^^;

ただ、酒を飲んでりゃ人生最高!なんてだけで映画作るのはさすがに脳天気だし、『失われた週末』のような飲酒の怖さを扱う古典もあるわけで。

酒飲んで物事がうまく行っているところから、絶対しっぺ返しが来るよな、とどこかで思いながら観ていたので、常に緊迫感もありました。

この映画がしっかり構成されてるなと感じたのは、やはりお酒の良い点と悪い点を並べて描いていたこと。

お酒は怖いよ、という教訓だけにまとまってしまったら、それこそ今更感が強かったように思います。

お酒の良い点と悪い点をちゃんと描き、そのうえで鑑賞後にタイトルのとおり「アナザーラウンド(もう一杯)!」と言える気持ちにさせてくれたことこそ、見事だし斬新でした!

あと、16歳からお酒が許されているというデンマークゆえ、教師と生徒の物語として酒が題材に出来るという驚きも…。

酒を肯定する映画ってだけで斬新なのに、さらにそれを学校を舞台にやっているという、日本じゃとても話が成立しない設定はインパクト大でした!
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