椎良

アナザーラウンドの椎良のレビュー・感想・評価

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
3.7
痛し痒し

〈パッとしない教師四人は、仕事中に一定量のアルコールを体内に入れておくことで退屈な授業が上向きになるのでは?と考える。
この仮説を実行し、活気づく彼らとその教え子たちであったが…〉

マッツ・ミケルセン主演。アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した。

アルコールの光と影。予告・ポスターの印象とは打って変わってちょっと重たい話ではあった。まあしかし、観客の大半が求めるものはそこじゃなく名優が情けなく酩酊したり涙を浮かべたりする姿であろう。飲んだくれてやること無茶苦茶になって笑った。
終盤での取り返しのつかない失敗が頭に残りつつも、そのしんどさを粗方吹っ飛ばすラストシーンは酒の高揚感を体現しているかのようだ。

この痛みに付き合っていくしか無いのならば、せめて一杯だけでも。
椎良

椎良