映像としてはシンプルで、ごちゃごちゃしてる感じがない。
でも表情や情景が伝わってくる、今までにあまり体験したことのない映画だった。
アミンのこれまでの人生を語った話。
今だからこそかなり刺さる内容だと思う。
難民になること、難民として生きること自体が命懸けであること。今世界で起こっている争いで故郷から逃れる方々とリンクした。
また、自分の人生を偽って生きていることを苦しんでいるアミンの描写がとても切なかったが、程度は違えど、他人に簡単に言えないことがあり、相手に「理解してもらいたい」という気持ちがあることは共感できた。
アミンが最終的な決断に辿り着けたのは、自分の過去をオープンにする勇気があったからで、受け入れてくれる相手がいたからこそできたものではないかと感じた。
（対比として兄が恋人と結婚できなかった話が出てきていたのか、、、）
全く別の観点だと、劇中かなり過激なシーンや重たい内容があるものの、違うシーンではポップな曲が所々流れるコントラストが印象的だった。
現実から逃げれるという気持ちなのか、音楽を聴いている時のアミンの表情が晴れやかで明るく、子どもらしい一面があることに気付かされる。
イラストで描かれているアミンが実年齢よりも大人びて見えるためか、そういうシーンで「あ、少年なんだ」と引き戻された。
終わった後にスッキリしたりはしないので、好みは分かれそう。
物語として実写にしてしまうと、もう少しライトに受け取ってしまったかもしれないので、描かれ方が本当によかったのだろうなと思う。
