他の作品では味わったことない独特な質感のドキュメンタリー
アニメーションの映像表現でありながら恐らく実際に録音されたインタビュー音声を流すことによりむしろ語りが明瞭に聞こえてくる気がした
アニメーションの質感としてはかなり抽象的な設計だけどむしろそれにより彼が語る物語の生々しさと切実さが浮かび上がってくる
語りとしての生々しさと映像表現としての抽象性が今作で語る以外のことにも想像を膨らませる役割もあったりしたのかなと
ここまで話せるようにはどれくらい時間がかかったのか、恋人には話せないけど監督には話せる距離感の心地よさ、そもそもどのように知り合い語るに至ったのか
それにしても語られる彼の物語は悲痛なものだった
置かれた環境によってこうも人生が変わってしまう
様々な事情から本当の自分を開けなかった彼が本当の自分を見つけるシーンでは感動せざるを得ない
