アレクサンドル・ペトロフの様々な表情が堪能できる121分。
「ザ・スパイ」という題名から一般的なスパイ物をイメージしていくとちょっと的外れ。
主人公であるはずのアンドレイがスパイとしてはふるゆわ過ぎる。そんなドジっ子でちょっと情けなくて父親が大好きなアンドレイの可愛さがスクリーンに炸裂するものだがら、アレクサンドル・ペトロフのPVとして鑑賞するには楽しい。
話が進むごとに真の姿が明らかになってくるマーシャの方が強く、スパイとしてのスキルは高い。彼女視点の方がよりスパイ物として成り立つような気がした。
それ以上にアンドレイの父親でこの作品のキーマンであるロダン大佐と旧友カターエフ将軍のイケオジ同士の友情と彼らの前日譚を深掘りした方がよかったのでは？
単身でカターエフ将軍に会うために古巣・ロシア対外情報庁に乗り込むロダン大佐。
スコープ越しにロダン大佐のサインに気付いてあえて自分の手で狙撃をするカターエフ将軍。
この２人の関係が最高に良い。
劇伴がしつこいことと戦闘シーンでのスローモーションの多用が苦手。
設定は良いと思うが広げ過ぎた風呂敷が回収できていなかったことが残念。
