ぺんちゃん

人数の町のぺんちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

人数の町(2020年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

こう言ったらなんだけど、予想より面白かった。
現代が舞台だけどSFみたいな、架空の施設(組織?町?)のお話。マガジンのマンガとかにありそう。
好き嫌い分かれるかもだけど、(自分でも思いがけず)私は結構すきだった。


中村倫也さんの雰囲気が良く、石橋静河さんは『前科者』のギャルとは正反対の役で驚いた。
中村さんは『水曜日が消えた』とかもだけど、こういう不思議な雰囲気の作品によく馴染んでいるなと思った。

借金で首が回らなくなった主人公が不思議な施設に連れていかれる。
そこでは衣食住が提供されてタダで住める代わりに、ステマや知らない人の名義で選挙への投票をやらされる。
広告宣伝用の人数を「プールしておく」場所という感じ。
外に出ようとすると頭に不快な音が流れて脱走できない。
警察や病院など、ステータスが高い人達はみんな分かってて放置していそうな様子。

妹を探しに施設に潜り込んだヒロインと、彼女の姪っ子と一緒に外の世界に脱出するが、追っ手が来て...

ラストシーンは時間が飛んで、妊娠しているらしいヒロインに「仕事に行ってくる」と言ってスーツで出かける主人公。
一見、逃げきれたのかと思いきや、実は施設のチューター(管理者)になっていた、というオチ。
自分が初めて来た時に言われたセリフを、今度は自分が新入りに言っている。「この景色が美しいのは、自由だからだ!」

ちょっとバットエンドっぽい終わり方も好きだった。
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