きょう

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのきょうのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

多彩で多様なアニメーションは今作も言わずもがな。
色彩や網点でのぼかし表現などアートが極まっている。

特にグウェン次元の水彩画のような表現が好きだった。警察署長である父親とのやりとりで背景の色合いや動きで感情を表すような演出。
逆さになってマイルスに寄り添うシーンも、友達とソサエティで板挟みになった裏腹な思いが見えた。
あと逆さになって垂れるポニテがカワイイ。

今作のテーマは「巣立ち」な印象。
親から、子から、ソサエティから。グウェンの巣立ちは無事決着した。

が、マイルス周りの話運びでかなり引っかかる点が多かった。。

・スパイダーマン2099との決着
・ヴィランであるスポットとの決着
・父親の死というカノンイベント
・アース42のマイルス

と、解決してない項目が多いまま次作に続くとは思わなかった。
前後編を前提とするなら、グウェンだけでなくマイルス側のエピソードも何かしら一段落しないと一本の映画としてどうなんだろうと個人的に腑に落ちない。

予告でメインだったスパイダー・ソサエティやスパイダーマン2099も、どちらかというと話の縦軸とは少しずれた位置で肩透かし感があり、メインで描かないならあんなに尺を割く必要性があったのか…。

スポットの出自やアイデンティティが消えたが故にマイルスに固執するキャラクター性や、マイルスの次元にスパイダーマンが2人生まれた理由に繋がるアース42が次作にも跨ぐ根幹になるため、予告ではミスディレクションしていたのかもしれないが、なら尚更ソサエティ周りの話は決着して欲しかった。

あと母親のマイルスへの「コロス」発言(2回)は不快でしかなかった。吹き替えだと発言が違ってたりするんだろうか。

不満点が多くなったがダイナミックなアクションは楽しめたし、スポットが想像以上に魅力的でマルチバースを揺るがすヴィランだったし、過去のスパイダーマン映像の差し込みや、まさかの新撮なSSUのチェンさん、MCU(?)アーロンのプラウラーなどのファンサービスも熱い作品だったのは確か。
きょう

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